海外に住めば、勝手に子供がバイリンガルに育つからうらやましい〜!!
なんて思ったことありませんか!?
・・・実は私も実際に自分が海外で子育てをするまではそう思っていました💦
結論から言うと、子供は海外で育っても努力なしではバイリンガルにはなれません。
海外に住んだら自然に子供がバイリンガルに育ってくれると思っていると、大変な落とし穴に落ちてしまいます。
この記事では海外在住17年で、3人の子育てママの経験から、バイリンガル子育てのポイントをシェアします。
バイリンガル子育てを日本人が海外ですると!?
海外で子供が育つなんて、バイリンガルじゃん!! いいな!!・・・な〜んてことを言われることがあるのですが、海外で育つから自然にバイリンガルになるかというと、そうではないんです。日本でバイリンガル子育てをするのとは逆の悩みも出てくるんです。
バイリンガル子育てとは?
そもそもバイリンガルという言葉をよく耳にしますが、バイリンガルと一言で言ってもどのくらいの言語能力を基準にいうかは、人によってかなり曖昧なところがありますよね。
ここでは、日本語と英語の2カ国語を生活の中で不十なく使いこなせるということを基準に話していきます。
ちなみに、2ヶ国語、3ヶ国語・・・を話す人の呼び方は以下のようになりますです。
- 1ヶ国語を話す人 → monolingual
- 2カ国語を話す人 → bilingual
- 3ヶ国語を話す人 → trilingual
- 4ヶ国語を話す人 → quadrilingual
このように表現しますが、大抵は4ヶ国語以上になるとMultilingualと言います。
バイリンガル子育てを日本人が海外ですると!?
海外に住むと子供はみんなバイリンガルになる!!って思いますよね。
実は私はそんな風に思っていました💦
だけど、現実は海外で育つからといって自然にバイリンガルになんかなりません💦
私自身、現在オーストラリア在住で3人の子供を子育て中なのですが、自分の子育て経験や周りの人たちを見ていると、海外で生活する子供でも自然にバイリンガルにはなりません。それなりの努力が必要です。
日本でバイリンガル子育てをするのとは逆の悩みがあるのです。
日本人家庭の子供が海外で生まれ育つ場合や、もしくは日本で生まれて幼少期に海外で生活をすることになった場合、日本で生活するのと同じように子育てをしていると、子供の日本語力はどうしても乏しくなりってしまいます。また、気をつけなければ英語も日本語も中途半端になってしまう可能性もあります。
なぜかというと、海外(英語圏)で生活するということは、一歩家の外に出れば大半が英語環境で、家の中でテレビをつければ英語が流れ、あえて日本語番組を子供に見せない限りほぼ英語環境です。日本語といえば、親の私が話しかけるくらいしかないので、日本語はどうしても英語に比べると足りなくなってしまいます。
海外で育つということは、英語が主な環境なので、たとえ両親ともに日本人であっても日本語力は日本に住む同じ年の子供に比べると、どうしても弱くなってしまいます。
また、ハーフの子供ならなおさら英語が強くなり、日本語はほぼ話せないという子供を私はたくさん知っています。
では、どうすればいいのか・・・ということで、ここからはバイリンガル子育てで私が行なっていることを紹介していきます。
バイリンガル子育てを日本人がする場合に気をつけること
ここでは日本人の私が海外でバイリンガル子育てをする中で、行っていることや経験から気づいたことを元に紹介していきます。
まず私が子供と接する中で心がけていたのは以下のことです。
- 幼少期に日本語(母語)をしっかり教える
- 日本人の親が英語で話しかけるのはNG
ちなみにうちは旦那も純日本人でネイティブスピーカーではありません。むしろオーストラリアに移住して来たときに彼の話せた英語はハローくらいです💦
幼少期に日本語(母語)をしっかり教える
幼少期に大事なことは、まずは母語である日本語をしっかりと教えることです。
母語である日本語が乏しくなってしまうと、言語の問題だけではなくそれ以外にも問題が出てくる可能性があります。
例えば、考えられる問題としは以下のようなことがあります。
- 第2言語(英語)の発達に影響
- 自信喪失してしまう
- 精神的に不安定になる
バイリンガルになるためのいちばんの決め手となるのは、子供の母語・母文化がどのくらいしっかりしているかということだと言われています。
母語である日本語の基盤がしっかりしていることで、次に習う言葉の発達がしやすくなる鍵を握っていると言われています。
逆に母語が中途半端だと次に習う言葉も中途半端になる傾向があるようです。
子供の自信喪失や精神的に不安定になることについては、海外で育つ子供たちはただでさえ毎日現地の幼稚園や学校で言葉だけではなく文化や習慣・人種など、何もかもが親のバックグラウンドとは異なる団体の中で1日の大半を過ごすことになります。
想像してみてください・・・
そんな環境の中に置かれたら、大人の私たちでさえ心も体も疲れますよね!?
子供だって親が思う以上に神経を張っているはずです。
また、現地の子供たちに比べると、どうしても幼少期には英語力が不足していることが原因で自信を失うことがあったり、日本の文化や習慣との違いから子供ながらに嫌な思いをすることもあります。
しかし辛いことがあったとしても、たいていの子供は親に心配をかけないように嫌な出来事についてはきっと多くを語らないでしょう。
うちの子供たちも幼稚園や小学校から帰ってきて、元気いっぱいの時もあれば、なんだか元気がないなぁ…という時もありました。ただ、毎日子供の顔色や行動を見ていれば大体どんな1日を過ごしてきたのかがわかります。
ですが、子供が元気がないときに「何かあった?」と聞いても「大丈夫だよ」と答えるだけで多くを語ろうそしないので、そう言う場合は無理に聞き出さず様子を見ていました。
子供には親がしっかりと寄り添い、愛情たっぷりに接っすることで精神的に安心させてあげることが大事です。
子どもはいつも元気なように見えますが、精神的に不安定になることがあるので、子供には自信をつけさせるためにもスポーツや音楽・ダンスなどなど子供の興味があることをさせてあげるのが良いですね。
子供は自分に何か得意なものがあれば、それだけで自信が持てるようになり、精神的にも安定してきます。
子供は子供なりに一生懸命社会に適合しようとしているので、彼らを精神的に不安定にさせないためにも親はしっかりと子供に寄り添い十分な愛情を与え、子供が安心できるようにサポートをする必要があります。言葉では簡単に感じますが、親といっても一人の人間なので完璧ではありません。なので親にとっても子育てというのは日々頭を悩ませますよね。
子供の精神面のサポートは、バイリンガル子育てだけではなく、子育て全般に言えますよね。自分の子供といえども一人の人格を持った別の人間なので、自分と同じようにはいきませんもんね💦 親も日々子供と成長させてもらっています。
日本人の親が英語で話しかけるのはNG
バイリンガル子育てを頑張るあまり、親も一緒になって子供に英語で話しかける努力をしていたりしませんか?海外でもこういう光景をよく見かけます。
結論から言うと、英語がネイティブスピーカーではない日本人の親が子供に英語で話しかける必要はありません。
バイリンガルは頭の中に2つの思考(日本語は日本語の思考、英語は英語の思考)を作るため英語と日本語はそれぞれ別の思考に蓄積されていきます。
そのため、日本語をバックグラウンドに持つ親は日本語をたくさん話しかけてあげ、幼少時に母語の基盤をしっかりと作ってあげましょう。どうして日本語を話す親があえて英語を話さない方が良いのかについては、これを読み進めていけばわかってくると思います。
バイリンガルの人の頭の中ってどうなってるんだろう!?
こんな疑問、持ったことありませんか?
どうやって日本語と英語をペラペラと使い分けることができるのっ!?って思いますよね。
大人になってから英語を勉強した方にはわかると思いますが、言葉を話すときに日本語を一度頭の中で英語に変換したり、またはその逆で英語を日本語に訳して理解したりしていませんか?
バイリンガルの頭の中はそうじゃないんです。
バイリンガルは日本語と英語のそれぞれ2つの思考回路を持っているんです。
バイリンガルは日本語と英語のそれぞれ2つの思考回路を持っているんです。
なので、見たり聞いたりする言葉を頭の中で変換(翻訳)しないで、そのままの言葉で理解することができるんです。
日本語で話すときは日本語で思考、英語で話すときは英語で思考できるのがバイリンガルです。
実際うちの子供たちの頭の中もそうなので、頭の中で言葉を変換すという考え方は彼らには理解できないようです。
そう考えると、同時通訳ができる人の頭の中って、本当にすごいですよね!!
バイリンガル子育て/バイリンガルの持つ思考回路とは
既に書いたように、バイリンガルの人の頭の中は2つの思考回路があります。
ここではそれがどう言うことなのかを説明していきます。
バイリンガルの人の頭の中には2つの思考回路がある
バイリンガルの人の頭の中には、日本語と英語の2つの思考回路があると言いましたよね。
例えば、バイリンガルの人の頭の中には”日本語と英語2つのコップがある”と想像してみてください。
その2つのコップが日本語と英語それぞれの言葉で満たされると、言葉が自然に口から溢れ出てくるという仕組みになっているんです。
「バイリンガルの人の頭には2つのコップがある」という表現はもしかしたら聞いたことがあるかもしれませんね。
バイリンガルで育っている子供は言葉の発達が遅いと言われることがあります。
実際に、うちの子供たちも小学校低学年の頃は言葉に関して先生によっては理解してもらえないことがありました。また、同じように周りのお友達の子供も学校の先生から「英語を理解していないんじゃないか!?」と言われて心配している人も何人かいました。
ですが、バイリンガルで育っている子供は1言語だけではなく2言語を習得しているので、頭の中にある2つのコップにそれぞれの言葉をためていくため、バイリンガルで育つ子供は1言語だけを話す場合に比べて時間がかかります。それは普通のことなので心配はいらないんです。言葉がコップにたまりきっていないと言葉は出てこないんです。
頭の中のコップいっぱいに言葉がたまると心配しなくても自然に溢れ出てきます。
ただ、コップがいっぱいになる早さには個人差があるので、コップから言葉が溢れるのが早い人もいれば、少し時間がかかってしまう人もいます。
ですが、頭の中のコップにインプットし続ければいずれば言葉はちゃんと溢れ出てきます。
ということで、ママやパパは日頃からコップを満たすことを意識して子供に言葉を話かけたり、絵本などを読み聞かせてあげるこがとても大切なんです。
そうすることで、親子のコミュニケーションもしっかり取れて親子の信頼関係が築けますからね。
バイリンガル子育て、2つの思考回路を作る場合の注意点!!
バイリンガル脳を作るときの注意点を経験から解説していきます。
結論は、頭の中にある英語のコップを満たすには、片方のコップにひたすら英語をインプットすればいいのです。
普段から日本語を話す日本人の親が、ある時急に子供に英語で話しかけたとしてもその言葉は英語のコップにはたまりません。
なぜかというと、子供の頭は話す相手に応じて自動的にコップを使い分けるようになっているので、日本語で話していると認識している相手の言葉は、自動的に日本語のコップにたまっていってしまうのです。
なので、既にさらっと言いましたが、普段日本語を使っている親があえて英語と日本語の両方を教えようとして英語と日本語の言葉を混ぜて使う…なんてことはしなくていいんです。
例えばこんな感です。
「りんご」という言葉を子供に教えるときに、
「りんご ➡︎ アップル」「りんごはアップルっていうんだよ」と同時に教える必要はないんです。
普段日本語を話すママやパパがこのように日本語と英語の両方を教えても、日本語のりんごと英語のアップルは別々のコップに分けて入らず、同じ日本語のコップに入ってしいます。
英語のコップを満タンにするには、英語だけの情報をインプットしたほうがいいです。
そこで、一番良いのは、英語をネイティブに話す人とコミュニケーションをとる機会を増やすことです。
そうすることで子供の思考回路は英語に切り替わり、英語の言葉は英語のコップに溜まっていきます。発音もよくなります。
日本語を母語として話す親の場合は、子供の母語である日本語に関してはしっかりサポートできるので、しっかりと日本語のコップをいっぱいにしてあげましょう!!
そして英語のコップにをいっぱいにすることに関しては、英語をネイティブとする人たちと率先して関わるような英語環境を与えてあげたり、英語の音楽やDVD、テレビを見せるのがおすすめです。
とはいっても身近に都合よく海外から来ている人や英語を話す人なんていないかもしれませんよね💦
ですが、最近ではわざわざ英会話教室に通わなくても自宅でも気軽にオンライン英会話をすることができます。特に最近は大人だけではなく、子供専用のオンライン英会話スクールもたくさんあります。
そういうサービスを利用するのもありですよね。
参考までに、特にバイリンガル子育てに関心のある方はお子さんの英語学習として、インターナショナルスクールが運営する『Global Step Academy(グローバルステップアカデミー) 』がおすすめです。気になる方はチェックしてみてください。
バイリンガル子育ては母語の土台がポイント!!
冒頭でも書きましたが、バイリンガル子育をする上で日本語(母語)の土台をしっかりと築いておくことが大切です。
海外で子供を育てる多くのママやパパは、子どもの習得する言語に対して、以下のような不安が出てくると予想されます。
- 海外で育てているんだから英語を優先すべきなんじゃないか?
- 子供の学校の先生に「家庭でも英語だけで会話したほうがいい」と言われた
- 周りから入ってくる何らかの心無い言葉によって親の心が左右されることがある
私はまさにこんな感じで、子どもたちの言語に関して不安になったことがあります。
また、実際に子供が小学校に上がったばっかりの時に、当時の担任の先生に「家でも英語で話した方がいいわね」と言われましたが、私は断固として家の中では英語を使いませんでした。
私の周りでは、他にも同じようなことを学校の先生から言われて悩んでいたお母さんたちが何人んもいましたが、バイリンガルの育て方を理解している先生は「家で英語を使う必要はない」とはっきり言ってくれましたよ。
バイリンガル子育ての大事なことは「幼児期に母語の土台をしっかりと築くことです。
外野から何を言われようと、ママやパパは自信を持って子供に日本語を教え続けることがポイントです!!
ただ、この行為は考えているよりはるかに大変なことです。「えっ!?日本人なんだからそんなの簡単でしょ!!」って思うかもしれませんね。ですが、母語の日本語を学べるのはハッキリ言ってほぼ家の中だけです。なので親の努力と忍耐がすごく求められるんです。
これはまさに、日本で英語を話せるバイリンガル教育をするのを考えると逆バージョンですね💦
すでに書きましたが、バイリンガルで育つ子供は頭の中にコップを2つ持っているのでそのコップがたまるまでに時間がかかるんです。なので同じ年代の現地の子供と比べると英語が弱いし、同じ年代の日本に住んでいる子供と比べると日本語力が弱いし・・・親として、”いつかは必ず話せるようになる!”ってわかっていてもやっぱり心配になってしまいます。それでもいつかはコップから言葉が溢れ出てくるので気長に待ってあげることが大事です。
私自身、かなり心配やもどかしい思いをしたこともありますが、今では子供は両方の言葉をちゃんと使いこなしています。
私の経験から『幼児期に母語の土台をしっかり築くこと』というのはとても大事だということです。
なぜなら、わが家には3人子どもがいますが、一番上の長女は、まさに彼女の幼少時期に母語の土台をしっかりと築きました。その結果、彼女は日本語も英語も達者になるまでに時間こそかかりましたが、言葉が溢れ始めてからは全く問題がありません。
しかし、3番目の息子に関しては、母語の土台作りが少し甘かったので、英語が少し強くなり、2言語のバランスを取るのが少し大変でした。。。というより今もなお頑張っている最中です!!
このような実体験から『バイリンガル子育てには母語の土台作りをしっかり築くこと』というのがとても大事だと実感しています。
バイリンガル子育ては子供のメンタルサポートが大事
ところで、『アイデンティティクライシス』って聞いたことありますか?
海外で育つ子供に見られがちなのですが「私って一体何者!?」と、自分のアイデンティティがわからなくなるんです。
実際うちの子供も一時期そういう時期がありました。うちの子供は純日本人ですが、本人にはその自覚なんて何にもなく、自分は学校にいるお友達と同じオーストラリア人なのに、みんなとは何かが違うと思っていたようです。
これについては子供といろんな話をしたので、今ではしっかりと自分のアイデンティティを持っています。
このように日本人でありながら海外で育つと、精神的に不安定な時期があることもあります。
その一部の例として以下のようなことがある場合があります。
- 母国である日本に馴染めない
- 日本の習慣や文化が理解できない
- 海外では外国人と言われ、日本でも外国人扱いされ自分を見失ってしまう
こんな時は親のサポートがとても大事です。
そして、既になんども言いましたが、幼少期に母語の土台をしっかり築いておくことがアイデンティティクライシスなど、様々な問題の対処にも関わってきます。
バイリンガル子育てを日本人が海外でする場合の注意点【まとめ】
この記事は私の経験から学んだことを紹介しているので、『子供をバイリンガルに育てるにはこういうすれば絶対バイリンガル子育てが成功しますよ』と断言するものではありません。
子供の教育はそれぞれの家庭によってそれぞれ多様に違うので、わが家のケースが必ずしも万人に当てはまるわけではありませんが、実際に3人の子供たちに対して行なってきたことなので、何かの参考にしていただければ嬉しいです。
ただ経験から言えることは、2つの言語を学んでいると話し始めるのが他の子供よりも少し遅くなることもあるかもしないので、親としては心配になってしまうかもしれませんが、一旦溜まってしまえば言葉が溢れ出てくるということは実感しています。
ところで、子供の英語学習って実際いつから始めればいいんだろう?という疑問を持っている方いるかと思いますが、それに関して別記事『子供の英語はいつから始めるのがおすすめ?メリットデメリットも解説』で解説しているので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
また、子供のグローバル教育について興味のある方は『子供のグローバル教育は英語だけじゃない!!おすすめのスクールはココ』をどうぞ♬
ここまで読んでいただき、どうもありがとうございました。