「チョイス@病気になった時」2月2日(土)放送は、大腸の病気への対策のチョイスを詳しく紹介してくれます。
《 出演者 》
司会 : 八嶋智人さん、大和田美帆さん
講師 : 東邦大学教授 瓜田純久教授、
札幌医科大学医学部教授 仲瀬裕志教授
過敏性腸症候群とは?
通勤電車や車の中で急にお腹が痛くなる・・・(下痢に悩まされてしまいます)
会議や試験など、大事な行事の前になるとどうしてもお腹の調子が悪くなる・・・
こんな症状で困っているのに、一時的なものだろうと医師の診察を受けずにそのまま放置している方が多いのではないでしょうか?
そのような症状が長期にわたって続いている場合は、【過敏性腸症候群】の可能性があります。
【過敏性腸症候群】は、検査を行っても腸に原因となる異常が見当たらないのに下痢や便秘といった便通異常が起こることが過敏性腸症候群の特徴です。
【過敏性腸症候群】のタイプは・・・・
下痢症状が多い「下痢型」
下痢と便秘の症状を繰り返す「混合型」
便秘症状が多い「便秘型」
・・・・などがあります。
過敏性腸症候群は20代〜30代に多いようですが、消化器内科を受診する患者の約半数が過敏性腸症候群だと言われています。
過敏性腸症候群になる原因と治療法
過敏性腸症候群の明らかな原因はまだ不明(2017年時点で)なようですが、
自律神経のバランスの乱れが引き起こしていると考えられています。
腸過敏性腸症候群の原因
1、ストレス
2、胆汁
3、大腸の変形
4、アレルギー
5、これから解明・・・
精神的なストレスが大きな原因だと考えられています
脳が感じた不安や緊張などが自律神経を介して腸に伝わり、運動以上を引き起こすのです。また、下痢や便秘などの腸の不調も、自律神経を介して脳にストレスを与えています。
このように、腸と脳は『脳腸相関』といって、密接に関係しています。
治療法としては、食事療法や運動療法による生活習慣の改善・薬物療法・心理療法などが実践されています。
薬物治療で使われる薬
過敏性腸症候群の薬として注目されているのが・・・
★ ラモセトロン
1日に1回 朝飲む。
最高投与量 = 男性 10μg 女性5μg
(投与量が決まっているのは、たくさん摂取すると副作用で便秘を起こし逆に苦しんでしまうことがあるそうなので、必ず医師と相談してください!)
胆汁が原因の過敏性腸症候群 = 胆汁が何らかの理由で大腸まで行き、そのせいで便を柔らかくしてしまいます。なので胆汁が出ると食べたものに関わらず下痢を起こしてしまいます。
★ コレスチミド (胆汁と結合する薬)ラモセトロンが効かない場合に。(元々はコレステロールの高い人が飲む薬だそうです)
1日2回 朝夕食前に飲む (用量は医師と相談)
大腸の変形 = 下痢ではなく便秘を引き起こすことがあります。
(番組内で紹介された佐藤さんの場合、小さい時に喘息をわずらっていたことが原因で抗アレルギー薬が処方されたそうです)
★ 抗アレルギー薬 を毎日飲み続けて良くなったようです。
原因はさまざま、医師と根気よく探っていくことも大切だそうです。
改善しない場合は、過敏性腸症候群の専門医や総合診療科へ相談しましょう。
大腸に炎症が起こる潰瘍性大腸炎とは?
潰瘍性大腸炎とは炎症性腸疾患のひとつで、大腸の粘膜に潰瘍やただれなど慢性的な炎症が起こる原因不明の病気です。
潰瘍性大腸炎は炎症の広がりによって直腸炎型、左大腸炎型、全大腸炎型などに分けられ、炎症の程度により症状も異なるようです。
【潰瘍性大腸炎】は、厚生労働省から難病に指定されていますが、適切な治療で症状を抑えることができれば、健康な人とほぼかわらない生活をおくることができます。
(注)「難病指定」といっても命に関わる病気ではありません!
潰瘍性大腸炎の症状
* 粘液便 血便
* 排便の回数の増加 下痢 (一般的には5回以上になると多いと考えます)
* 腹痛
炎症が長引くと大腸ガンのリスクが高まる可能性があります。
風邪などでも同じような症状がありますが、一週間以上症状が続く場合は注意をして医師の診断を受けた方が良いそうです。
潰瘍性大腸炎が疑われる場合にする必要な検査と薬
* 便の培養
* 血液検査
* 内視鏡検査
原因が特定されていないので、完治というのは難しいかもしれませんが、薬治療などによって正常な方と同じ生活を行うことができるようになるそうです。
潰瘍性大腸炎の患者さんは、活動期(症状が現れる)と寛解期(症状が出ていない時期)を繰り返します。
食事やストレスなどなど人それぞれのいろいろな原因で寛解期が現れます。
薬をきちんと服用することによって、長い寛解期を続けることができます。
潰瘍性大腸炎の主な薬 ((注)下に向かって重症な患者さんが使う)
★ 5ーアミノサリチル酸製剤
★ ステロイド
★ 免疫調節材